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俊輔がJ復帰後初めて直接FKをけり込み、前節首位の清水を沈めた。1-1の後半8分、右斜めの位置からゴールまで約22メートル。短い助走から力みなく左足を振り抜くと、3枚の壁の上を越えて、飛びつく相手GK西部の両手の先を抜けた。「腰がよく回って足にも乗った」。ボールは鮮やかにゴール右隅に吸い込まれた。J1では02年4月13日の広島戦(アウェー)以来、実に3044日ぶりのFK弾。自らの存在を支えてきたFKでの得点がよほどうれしかったのか、俊輔は左足をたたいて喜んだほどだ。前日の全体練習終了後に、70本ものFK練習を行った。最近はFKの際に、壁との距離が近いのが気になっていた。現役時代にFKの名手だった木村監督は試合前、両チーム監督らがそろうミーティングで西村主審に対し、壁との距離をしっかり歩測するように要請。俊輔のFK時に同主審はきっちりと壁を下げた。前半早々にも俊輔は右サイドを突破し、右足でMF兵藤の先制点をアシスト。全得点に絡む存在感を見せつけた。主役が決め、チームは約5カ月ぶりの2連勝。「こういう試合の後が大事。次、負けたら意味がない」。よみがえった32歳のベテランが、マリノスを引っ張る。
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