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交通事故や車の故障でレッカー移動を依頼する際、インターネット検索で見つけた業者に「法外」な料金を請求され、トラブルになるケースが2022年ごろから静岡県内各地で相次いでいる。サイトに表示された「地域最安」「出張費無料」を信じて連絡すると、現場で作業後に追加料金などを名目に数十万円を請求される手口。関係者は、レッカー依頼はネット検索を避け、警察や保険会社への連絡を徹底するよう求める。22年5月、浜松市内で車のトランスミッションに不具合が生じ、男性はレッカー業者をネットで検索。依頼後に現れた県中部の業者名を聞き、想定していた日本自動車連盟(JAF)ではないと初めて認識した。業者は搬送後に約30万円を請求。契約する損害保険会社からの支払いが滞った場合、立て替え払いを求める可能性を示唆してきたという。レッカー移動の料金設定に明確な規定はないが、損害保険ジャパンによると、提携するレッカー業者であれば、特別な作業がなければ県内搬送の相場は2万~4万円ほど。数十万円を請求されるトラブルは21年末ごろから全国で相次ぎ、特に東海4県で多発。県内では約30件が確認されている。複数の関係者によると、県中部が拠点とされるこの業者はエンジン不動に加え、バッテリー上がりやパンクへの対応依頼でも現場に現れる。作業後に追加料と称して金額を跳ね上げ、拒むとキャンセル料を請求する。ATMまで付き添われて支払った契約者は多く、その際には「払うのはあなたではなく、損保会社」との甘言で迫る。業者はサイト内の「地域最安」「出張・見積もり費無料」などの一部内容を変え、現場で同意署名の“契約書”交付を始めるなど、手口を巧妙化させて各地で行為を続けているという。有償運送行為には道路運送法に基づく営業許可が必要だが、11年9月の許可の取り扱い改正で自家用車積載車(白ナンバー)でも一定の条件下で可能に。許可を受けた道路上からであれば、最寄りのディーラーや整備工場へ有料運送できるようになり、白ナンバー業者は県内にも多く存在するといわれている。事故直後で動揺する中、レッカー業者の指示通り動く当事者は多い。生じていない作業などを、加入する損保会社に申請して詐欺行為に加担してしまうケースもあるという。損保業界の関係者は「業者を詐欺などで訴えると、契約者も罪に問われる危険性が伴う」と難しい立場を打ち明ける。
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