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広島市で19~21日に開かれる先進7か国首脳会議(G7サミット)で、新たなパンデミックが発生した際、低所得国へワクチン購入資金などを迅速に支援する枠組みを議論することがわかった。新型コロナウイルス禍で表面化した先進国とのワクチン格差の解消を目指す。主要20か国・地域(G20)加盟国などは昨年9月、新たな感染症対応のため、世界銀行に16億ドル(約2100億円)超のパンデミック基金を発足させた。医療従事者の育成や感染症の発生監視など、主に予防に使うことが想定されている。広島サミットでは、パンデミック発生後の対応として、新たな枠組みの必要性を各国で共有する方向だ。サミットに先立ち、11~13日に新潟市で開かれるG7財務相・中央銀行総裁会議で資金支援について議論し、参加国の理解を得る考えだ。具体的な制度設計は、新興国も参加して年内にも開くG20財務・保健相会合で議論する見通しだ。パンデミック基金の使途や規模を拡大し、ワクチン購入など緊急的な支援にも使えるようにする案などを検討する。コロナ禍ではワクチンを自力で確保することが難しい低所得国への資金提供に時間がかかり、アフリカなどのワクチン接種率は低水準にとどまった。英オックスフォード大などが集計する「アワー・ワールド・イン・データ」(6日公表)によると、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は、G7各国では7~9割を占めるが、アフリカではカメルーンやコンゴ、マリなど1割台にとどまる国もある。岸田首相は4月25日、広島サミットに関して「公衆衛生危機への予防、備え、対応」に焦点を当てると述べ、「G7として持続可能な資金の確保に、積極的に貢献していくことが重要だ」と強調した。サミットでは、今後の感染症発生などに備えて首脳級で対応する仕組み作りや、低所得国などがワクチンや治療、検査薬を公平に入手する考え方をまとめた「広島ビジョン(仮称)」も議論する見通しだ。
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